科学教育センター

科学教育センターは、学校法人横須賀学院が設置する各学校における教育の質的向上を図り、自律的な学習者を育てると共に、学術文化の発信による地域貢献を進めることを目的とする全学センターで、外部有識者からなる運営指導委員の助言を受けながら運営されています。扱う分野は理系(自然科学)だけでなく、文系(人文・社会科学)の分野も対象に含めてより広く「科学」と捉え、生徒の学問への関心を高め、知的好奇心に応えます。現在は新型コロナウイルス感染対策として、一部プログラムのみを実施していますが、希望する生徒は在学中いつでも、どのような形でも参加できます。
「探究のサイクル」を基本に、本格的に探究を深めたい生徒には対外発表(アウトプット)や専門機関との連携支援も行います。この取り組みを進路学習や大学研究の一環として活用する生徒も出てきています。


横須賀学院セミナリオ


横須賀学院セミナリオとは課外に実施される教養教育のためのプログラムの総称です。
主に生徒を対象に放課後や長期休業期間を利用して年間100以上の講座が開講されており、500人以上の児童•生徒がプログラムヘ参加しています。大学教員等を招き、発展的な学びを展開する講座、専門的職業人から職業の実際についてお話を伺う講座、センター所属の学院教員の専門性を活かした講座など、様々な講座をラインナップしています。また、横須賀学院セミナリオでは、すべての講座の企画と運営をセンター所属の教員が担当しており、生徒の実態と関心を熟知した教員によるオーダーメイドのプログラムの実施も大きな特色の一つです。

 

放課後セミナー


本校の生徒が研究機関や医療機関・大使館等で働く研究者や専門職の方を学校にお迎えし、放課後に出張講義を聴講できるプログラムです。内容は医学・看護学・生命科学・情報科学・天文学など「理系」的なものだけでなく芸術・言語学・平和学・哲学・経済学など「文系」的なものまで多彩にラインナップ。特に1学期には探究活動を始めることを考えている生徒を意識した、動機付け支援講座を開講しています。2学期以降は、少し専門性を高めた講座や、やや高度な実験講座、海外留学希望者向けの講座なども用意しています。


中高生になると、かつては好きだったはずの理科や数学に苦手意識を持つひとが多くみられます。一般に「理系離れ」といわれる、この現象の原因の一つは 学習内容が抽象的になり、学んだことが実社会でどのように活用されるのか、わかりにくくなることにあると考えられます。自然科学分野の講座では、時間の制約から授業時に実施しづらい実験に取り組む講座や、高校までの学びがその後どのように展開され、活用されるのか見通せるような講座の企画を行っています。


横須賀学院では伝統的に対人援助に関わる分野への進学や就職を希望する生徒が多いことから、医療、看護、福祉、臨床心理といった領域に関わる講座の実施は特に力を注いでいる分野の一つです。学術的な内容の講座、臨床の実際を知る講座、時事的トピックを扱った講座など、様々な切り口から、生徒の関心を喚起し、学びを広げ、深めるための機会を提供しています。共生のための教養教育の機会として、該当分野に関心のある生徒はもちろん、広く様々な生徒の講座への参加を受け入れています。


実用性を欠いているように思われることもある人文科学は、実際には私たちの 生き方やあり方を考える上で欠かすことのできない分野です。これまで、この分野では授業外で英語のリー ディングスキルを高めることを目指す講座や、キリスト教の歴史や思想、文化に親しむことを目的とした講座などを実施してきました。今後は図書館、中高図書委員会と連携しての講座の企画や、小学校で実施されてきた哲学対話のプログラムの導入なども検討していきます。


実社会で起こっている事がらは、必ずしも授業科目で分類し、整理することのできるものばかりではありません。社会科学分野の講座では、複合的な視点から社会で起きている様々な事がらを学び、問い、考える力を身につける機会を提供します。また、人口減少の進む三浦半島に校地を有する学校として、地域課題の探究や地域活性に関わるプログラムにも取り組んでいます。


科学教育センターの活動は校外にも広がります。校外で行われるプログラムには、大学等を訪問し、キャンパスや施設を見学して研究者から直接指導を受ける 日帰り型の「プレカレッジプログラム」や、数日間にわたって実施される宿泊型の「サイエンスキャンプ」などがあります。
これまで「サイエンスキャンプ」では、沖縄県の琉球大学理学部生物圏研究センター瀬底研究施設でのサンゴ礁生態系の観察や、北海道網走市にある東京農業大学生物産業学部での化粧品原料の製造体験などを行ってきました。

 

 

高大連携授業


教育課程内の通常授業で大学等に所属する研究者による指導を直接受けることができるプログラムです。たとえば、高校では理科の授業において外部講師をむかえて、PCR法によるDNA増幅と遺伝子多型の同定、身のまわりのエステルの検出や繊維の識別に関する実験、解熱鎮痛剤のひとつのアセチルサリチル酸の合成と確認試験など、単独では実施の難しい講義や実習を行う機会を設定しています。

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